喫茶あいはら

喫茶店で友人と話すように、取り留めのない話をしています。

銀座かねまつで靴をセミオーダーした話


今日は靴の話をします。皆様は何かセミオーダーをしたことはありますか?わたしは、会社で常に使う靴をセミオーダーしたことがあるのですが、それが最高だったよ!というお話です。

▼書くきっかけはこのツイート

※なお、作った当時のお話は5、6年前のお話のため、現在と異なるところがあるかもしれません。また、記憶を手繰り寄せて記録しているため、曖昧な点もあるかと思います。ご了承ください。

セミオーダーをすることになったきっかけ

社会人1年目直前、入社までに用意するもの。それは、ハイヒールでした。会社の規定は、5cm以上のヒールであること、太いヒールは禁止、エナメルは禁止で黒のマットなもの、ストラップは禁止、柄やワンポイントは禁止。なお、履けない人は整形外科などで診断書を提出しないといけないという職場でした。

やや外反母趾なことや7時間くらい立ちっぱなしになることがわかっていたため、合うハイヒールを見つけねばならぬ!と思いました。そんな時に思いついたのが、オーダーシューズ。どうせ毎日毎日履くのなら、作っちゃえ!と思い、調べたのがきっかけです。

いくつかの会社のオーダーシューズ、セミオーダーシューズなどを検索して、初めはKiBERAで作ろうかな、と思っていました。が、値段などを調べていて、当時は予約が取りにくかったこと、安いと思っていた靴は合成皮革だったこと、修理などは行っていないこと(幅を伸ばしたりはしてくれる模様)から、それなら普通に高い靴を選び抜いて買うのと変わらないなあ、と感じてしまい要検討をすることに。(長く使うのならば革素材が良かったし、その値段で革素材でないのはむしろ高いなあ、と思った。)一応、迷っていたときに店頭の前も少し通ったのですが、店員さんが忙しそうだなあ、と感じたことが決め手だったかもしれません。そんなこんなで、少し他のお店も検討してみよう、ということに。

そこで辿り着いたのが、銀座かねまつセミオーダーでした。かねまつは百貨店でいつも見かけるブランドだし、安心感があるなと思い、選びました。

 

いざ、銀座かねまつ

www.ginza-kanematsu.co.jp

かねまつのセミオーダーは、銀座本店でしか行っていないため、銀座へ。同業で黒いハイヒールを作りたい!と言っていたお友達と二人で行きました。かねまつの上のフロアで、おそらく予約もしていなかったかと思いますが、快く受け入れてくださいました。(コロナのこともあるので、今は予約したほうがいいのかもしれません)

 

流れとしては、ざっくりこんな感じ。

・カウンセリング、作りたい靴の形

・足型の計測(機械に足を載せるとスキャンしてくれる)

・足のサイズ、横幅などを教えてもらう

>わたしの場合は23.5は合っていたけれど、いつもEEEサイズを購入していましたが、右足がD左足がCでした。驚き。

・作りたい靴の形とサイズの靴を持ってきてもらって片っ端から試着

・革の色や柄などを選択靴に裏張りをつけるかつけないか、など細かいところの調整

>わたしの場合は会社の規定が厳しかったので、決まった条件を伝えて作成しました。色々な素材もあったので、色々選べてとても楽しそう。靴の形もヒールだけではなく、レースアップシューズのようなものからパンプスなど色々あるようでした。

・履いてみて、痛いところや当たるところなどの調整

>ただし革靴で後々伸びることも考慮して、中敷を入れることや、歩き方などのアドバイスも。

 

全て調整してお会計、数ヶ月後に手元に来ると言う形でした。(確か配送だったと思います。)一足一足がお高そうな巾着袋に入っていたのを覚えています。靴箱に貼るナンバリングされたハイヒールの写真のカードもいただきました。

ここまでで、大体3万2千円前後でお釣りが来る程度(素材やオプションなどで少し変わるかもしれません)。わたしが驚いたのは、この後の対応です。

神対応で6年使い続けている話

社会人1年目ということや、ハイヒールで7時間は走り回る仕事だったため、革が剥がれたり、傷がついたり。自分でケアはしてみるものの、忙しくてケアしきれない日もあったりして、ボロボロになってきました。職場には什器も多くて、よく転ぶ鈍臭さやおっちょこちょいさをもつわたしは、ヒール部分を大きく抉ってしまいました。そこで、かねまつさんにこの靴を持っていったのです。すると、革が剥がれた部分は慣らして貼ってくださり、さらに手入れしきれていなかった靴はピッカピカに。もう、いかに自分がケアをちゃんとできていなかったか凹んだのですが…。笑

素敵な店員さんの話①

そんな中でご対応していただいた方で、印象に残る方が。

とても柔らかい対応で、ニコニコとご対応していただいた男性の方。直す時に靴を試し履きする必要がありました。靴下できてしまい、ショートストッキングを手渡されましたが、履くのに手こずっていたら、「履かせましょうか?あッ、違いますね?」と微笑みながらご冗談を・・・・・!!!文面だけ見たらセクハラと思われるかもしれませんが、その方のふわっとした人柄の良さで、ただただ「じいや・・・!」あの漫画や絵本から出てきた、執事のじいやなんです!もう、あの時何を直しにいったのかは微塵も覚えていませんが(多分履いたので指が当たるところが出てきてしまったとかかな)、帰宅中もず〜〜っと「じいや・・・」と思いながら帰宅したのを覚えています。そして今だに友人にお話しています。笑

素敵な店員さんの話②

そんな中、またもや衝撃的なご対応がありました。これはコロナ禍になってからの、ここ数年のお話です。

仕事を辞めて転職し、ボロボロになりすぎた靴。内側からも傷みだしているし、もう、処分してもいいかな、と思ったのです。革靴なので、かねまつで渡したら、他の商品に再利用できたりするのかな?と思ったことや、もしかしたらまだ何か修理する奥の手があったりするのかな、と思い、かねまつにお電話を。すると、再利用などはないけれど、受け取って処分することはできるから、持ってきていただければ、というご返答。訪問予定時間を告げて、店頭に行きました。

店頭で、若いお兄さんの担当者さんに全く同じ旨を告げました。もし何かいい直し方があれば直していただけると嬉しいけれど、処分してもいいと思っていること。かねまつさんにはとてもよくしていただいているので、この靴とお別れしても、またセミオーダーで靴を作ることも考えているともお伝えしました。本人、この時点で手放す気でいました。

すると、シューキーパーではなくてもいいから、丸めたやわらかい紙と割り箸を入れてみてください、ということと、革が乾燥してしまっているのでケアをしてください、というお話。……おや?

さらに直すのであれば、内側を剥がすなどはできるけれど、サイズ感が広がるかもしれないことや、まだそこまでしなくても大丈夫かもしれない、とのこと。……おやおや?

話の流れで、靴を持って、しばらくお待ちくださいと奥の部屋へ持って行ったかと思えば、ピカピカに磨かれた、わたしの靴。どうやら、革の剥がれていたところの修復と、革を磨いてくださっていて、ヒールの踵の部分のゴムが変わっていて…?

そして棒と紙切れを持った店員さん。シューキーパーの作り方を丁寧に説明していただき、気が付いたら持ってきた靴の袋に収まっていて、踵のゴムのお金を支払って、お店を出ていました。(ちなみにアイキャッチの靴の写真は、作っていただいた際の紙と棒が刺さっています。)

付き添いで来てくれた友人に「わたし、今日、手放すって、言ってたよね…?」と放心しながら確認したのでした。

 

▼それがこのツイートのお話に繋がります。

絶対新しく靴を作って買ってくれた方が自分の売上になるのに、綺麗にお手入れして、自分でもできるお手入れの仕方を教えてくれる。…最高じゃないですか?その店員さんからの靴への愛が伝わってくるこの感じ。もう、この靴を手放さなくても次また作りたくなっちゃうし、人におすすめしちゃいますよね。

 

実質無料(タダ)

何回も修理をしていただいていますが、無料でしていただくことの方が多かったです。踵の部分のゴムの張り替えでお金を出したかな…?というくらい。裏張りを変えたり、修理する場合なども有料になるとは思うのですが、今の時点で、靴を作って以来、修理費は微々たるもの。

以前、大好きな靴を靴の修理屋さんで底を張り替えたり、ヒールを取り替えた時には、「もう次修復したら、いい靴、もう一足買えちゃうじゃん」とショックだったのを覚えています。結局、革ではない素材の部分が劣化してお別れしてしまったのですが。

今現在、購入時より約6年目。3万と少しの靴を6年、もう実質無料ですよね?(無料と書いてタダと読む)

 

 

ということで!!!かねまつのセミオーダー、クチュリエ、めちゃくちゃおすすめです!!!!!!!銀座という立地にドキドキしてしまうかもしれませんが、中に入るとめちゃくちゃ温かい店員さんたちが揃っています。靴をセミオーダーしてみたい方、銀座にたまに行ける方、ぜひ行ってみてください!銀座SIXの向かいあたりだよ!